お墓についての基礎知識
お墓の構造と名称


なぜお墓を建てるのか
人が亡くなったらお墓を建てなければならないという法律は世界中どこにもありません。しかし人類は古来よりお墓を作り続けてきました。
お墓は、慣習や習慣で建てるものではなく、死者への哀悼、追憶の心、仏教でいうところの供養の心によって建てる祈りの造形なのです。
良いお墓とは
こういう形の、こういう色の・・・というものはありません。死者を供養するのにふさわしいたたずまいがあり、死者と生者の語らいの場所、親を思い自分たちの生活の歴史を子供たちに伝えていく場所として、ふさわしいお墓なら、いずれも良いお墓といえるのではないでしょうか。
お墓を建てる時期
お墓を建てるには石材の加工から墓石の据え付けまで、約一ヶ月の日数が必要です。そのため、人が亡くなってから建てる場合には、四十九日を目安に建てるのが無難です。また、諸事情ですぐには建てられない場合にはお盆やお彼岸を目安に建てられても結構です。
石の種類
現在墓石に使用されている石材のほとんどが御影石(花崗岩)で、その8割が輸入材です。一般に、硬い石ほど光沢を出すのに手間がかかりますが、一端磨き上げると艶は長持ちします。硬度が低いとその逆です。
また、水を吸いやすい石とそうでない石がありますが、寒冷地などでは水を吸った石が凍って割れることがありますので避けたほうが良いでしょう。
だからといって、最も硬度が高く、最も水を吸わない石が高いのかというと、そうではありません。石は天然素材のため、人気があって生産量の少ない石ほど希少価値が付いて高額になります。従って、石質が良いから高い、悪いから安いと一概に言えないということです。
また、石の品質、特質は、一般の方の「素人目」にはほとんどわかるものではありません。
墓石の色・形・大きさ・デザイン
墓石の色は地域によって様々で、もともと地元で産出された石の色に起因しています。どの色が良くてどの色が悪い、ということはありません。
また、現在の三段の和型の形は江戸時代中期に一般的になったものです。五輪塔や洋型墓石など、現在は様々な形のお墓が建てられていますが、元来、お釈迦様はお墓のことは何も話されていません。ですからこの形でこの大きさでなければならないという決まりはありません。
生前墓(寿陵墓)について
「寿陵」とは、生前から建てておく自分のお墓や夫婦のお墓のことです。生きている人の墓石の戒名は、朱色の文字にしておくのがならわしです。寿陵は中国の古い書物にもある言葉で、寿蔵・寿穴・寿堂とも書いてあります。中国でもたいへんめでたいお墓ということで、秦の始皇帝をはじめ歴代の皇帝もつくつてきました。また日本でも、『日本書記』第二十四や『聖徳太子伝暦』巻下には、聖徳太子や蘇我入鹿が生前、自分のお墓をつくったという記録があります。
仏教において「寿陵」を建てることは「逆修・・・生前の自分の為に仏事をいとなみ、冥福を祈ること」を為すことになり、功徳をもたらし、未来の繁栄と幸福につながると言われています。
墓地についての基礎知識
墓地を決めるポイント
規格・資格・制限については、よく調べておく必要があります。
遺骨を納めることのできる範囲、墓碑購入や工事を行う際の特定石材店の有無、墓石の大きさや形の制限の有無などです。公営墓地ではあまり規定はありませんが、寺院墓地や民営墓地の場合は確認しておきましょう。
- 安心できる経営・管理組織かどうか
- 規則や資格・制限の詳細な確認(宗派による規則や資格など)
- 区画の面積
- 費用と支払い方法
- 墓地までの交通の便
- 管理が行き届いているか
- 墓地の設備と周辺環境
購入申込
墓地を購入するということは、実際にその土地が自分のものになるわけではありません。半永久的に借りて使用権を得るのです。
墓地を決めたら管理者に購入を申し込みます。その際に永代使用料と管理料を支払って、使用承諾証を受け取ります。
- 永代使用料
- 寺院墓地などでは冥加金、志納金などと呼ぶこともあります。
永代使用料の金額は墓地によってかなり異なります。 - 管理料
- 墓地内の通路や水道、休憩所などの共用部分、管理事務所の維持などに必要な費用で、墓地の使用権を持っている限り、支払い続けなくてはなりません。金額等については、支払方法も含め管理者(寺院の場合はご住職)に確認することが必要です。
お墓参りの基礎知識
持って行くもの
【お参りに必要なもの】
- 数珠
- 線香・ろうそく・マッチ
- 半紙
- 花(しきみ)・お菓子・果物
- 手桶・柄杓
【掃除に必要なもの】
- ほうき・ちりとり・ゴミ袋
- たわし・雑巾・バケツ
- 手ぬぐい
お墓の管理時事務所などで貸してくれたり、販売している場合もありますので出かける前に問い合わせてみてください。
作法
お墓参りに特別な作法はありませんが、大切なのは、亡き人やご先祖さまに感謝し、手を合わせるという行為ですので、基本的な心得や手順は身につけておきたいものです。
服装は基本的に決まりはありませんが、あまり派手な色やスタイルは避けたほうがよいと思われます。
墓地に着いたら寺院墓地の場合は、先ず本堂のご本尊をお参りし、ご住職に挨拶します。
お墓の掃除はお墓に向かい合掌礼拝してから行うようにします。掃除は水桶に汲んだ水などを使い、お墓の周囲なども含めて行うようにします。
掃除を終えたら花立てに水を入れ、花ばさみで長さやバランスを整えた花を飾り、お線香をたむけます。
その際、お線香の火は口で吹き消すのではなく、手であおいで消すようにします。そしてお菓子などをお供えし、お墓の正面に向かい、胸の前で手を合わせ、軽く目を閉じて頭を30度ほど傾け冥福を祈るとともに感謝の気持ちや報告したいことなどを心の内で語りかけ合掌します。
合掌を終えるとお墓参りの手順としては一通り終わりになります。
花、線香以外のお供え物は、カラスなどに食い散らかされないよう必ず持ち帰るようにします。

